Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
「わかったよ。おう」
バイトのシフト変更の電話。
鈴子がひどい女だとすれば、俺も同じ。
美亜の気持ちを知っていて、俺だって美亜に思わせぶりなことをしている。
でもな・・・・・・
俺は心のどこかで願っている。
美亜が・・・・・・
俺の1番になって欲しいと。
美亜なら鈴子を忘れさせてくれるんじゃないかって。
俺は、関係のない話をし始めた鈴子に適当に返事をしながら、美亜の背中を見つめた。
みーたんに向かって何か話しかけている。
美亜が大事なんだよ。
それは本当だから。
もう少し、待ってくれないか?
鈴子がハムスターを連れて来てよと言い出した。
俺は油断していた。
美亜には、鈴子のハムスターだということを内緒にしていたのに。
つい・・・・・・言ってしまった。
俺のみーたんと鈴子のハムスターが親子だってことを。