Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
だだっ広い教室。
4人掛けの長い椅子。
俺の隣には誰も座らない。
教授の話なんて誰も聞いちゃいない。
俺は机の上に腕を乗せ、腕に耳をくっつけて窓の外を見た。
大きな窓は、綺麗に磨かれていて窓がないように透き通っていた。
その先に見える青空は、俺の心とは正反対に澄み切っていた。
「隆介、今日コンパするけど来る?」
「あ?パスパス」
コンパとか、面倒だ。
今、俺に女は必要ない。
きっと傷つける。
優しくできない。