Slow Magic ―俺を変えてくれた人―




美亜は俺を包んでくれた。



俺はもう美亜から離れられないと感じていた。




「だから人間不信なんだね、隆介」



「それだけじゃないけど。彼女にも裏切られたし」




これも俺が封印していた思い出。


誰かに話すことで楽になれるなんて知らなかった。





「完璧な二股だよ。彼女に裏切られたことよりも、先輩に裏切られたことが悔しかった。でも、それ以来女ってのは信じちゃいけないって思うようになった」




そう言いながら、もう俺は美亜のことは信じられるようになっていた。





言わないけど。


ちゃんと、信じてる。




< 70 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop