Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
臆病
―臆病―
俺は何度も美亜を呼び出した。
まるで彼女のように、家に呼んだ。
美亜は何も言わない。
何も聞かない。
“私は隆介の何?”なんてありきたりなセリフを俺にぶつけてはこない。
わかってる。
美亜は。
俺の気持ち。
ゆっくりとゆっくりと、俺の傷が癒えるのを待ってくれているようだった。
週に何度か会って、時々メールや電話をした。
恋のリハビリ期間。
心から美亜を信じられるように。
心から美亜だけを愛せるように。
この恋が俺の最後の恋になるように。