Slow Magic ―俺を変えてくれた人―



それから数日後だった。




「隆介、夕方時間ある?」




卓弥がニヤニヤしながら、俺の耳元に顔を近づけた。




「何だよ。気持ち悪い」



「前に話してただろ?俺の彼女の友達の女の子。会ってみる気ない?」




俺の深いため息を聞いて、卓弥も真似してため息をつく。




「だからぁ、俺はそういうのいらねぇから」



「あ~、隆介!ごめん!!もうメール送っちゃった!」




卓弥のヤツ・・・・・・


彼女へ送った送信メールを俺に見せながら、ニヤニヤと笑った。




【今、美亜ちゃんも一緒?今、隣に隆介いるんだけど、連れて行こうか?】




美亜ちゃんって誰だよ!





「おい、俺は行かねぇぞ」





まぁな、本気で行かないつもりじゃない。




親友の頼みだからっていうのもあるけど、俺はその女の好みの男のタイプを聞いて、会ってみようかと思った。





『Sな人』だってよ。



優しい男じゃなくて、意地悪な男を求める女って一体どんな女だよ。







< 8 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop