Slow Magic ―俺を変えてくれた人―



「俺、友達に裏切られた事あるから・・・健太が鈴子を好きだと知ってから、もう自分の気持ちを封印しようと思った。健太を裏切るような事、したくなかった」




また一歩近付く鈴子。


俺は、右足を一歩下げ、横を向く。




「このままじゃ俺も前に進めないから。だから、鈴子に伝えようと思った。昔のことだけど・・・・・・俺の中ではまだ終わってなかったのかもしれない。こうやって、鈴子はいつまでも俺を頼ってくれて、何かあると俺に相談する。だから・・・・・・余計、自分の気持ちに整理がつけられなかった」




「ごめんなさい。私・・・・・・心のどこかで、健太も隆介も自分のそばにいて欲しいって思ってた。健太を選んだのは私なのに、隆介のことも大事で」





人間は弱い。


俺だって弱い。



だから、気持ちはわかる。





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