Slow Magic ―俺を変えてくれた人―
「俺もさ・・・・・・ やっと前に進めそうだから。真剣に付き合おうと思ってる人がいる」
鈴子は、それが誰なのかわかったようだったが、何も聞かなかった。
「そう、なんだ・・・・・・ちょっと寂しいけど、嬉しい。頑張ってね」
「だから、俺達のこの関係も今日で終わり。お前は、健太のことだけを考えて、健太と生きてくんだ。俺も、もうお前の面倒はみねーから」
泣かれたらどうしようかと思ったが、鈴子は泣かなかった。
じゃあなと言い、俺は先に公園を出た。
ベンチに座った鈴子が、どんなに寂しそうな顔をしても、もう俺はそばにはいてやれない。
俺には大事な人ができたから。