記憶 ―夢幻の森―


俺は不完全な人間だ…。

きっと、
前へ進んだそれから先も。



心の隙間を埋める、

『光』の欠片を集め続けるだろう…。



『ハルカ』という、


――…光の欠片を…。


いつか、
笑顔のハルカに、

また逢えたらいいな…




「『――…キース~!!」』


俺が顔を上げて慌てて涙を拭うと、

それは、声だけで。



『…またなぁ~ッ!!』

「――また逢おうね~っ!!」


風が…、
二人の声だけを運んで来る。



「――…あぁっ!!」




それは、

お互いに涙の姿を隠した…、


精一杯の…


『再開の約束』だった――…







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