記憶 ―夢幻の森―
○エピローグ○

○エピローグⅠ○



…ねぇ。

ねぇ、梓。

私、また夢を見たの。


懐かしいあのカオスの泉で、
私と梓、二人でね?

独りでとても寂しそうな、
とても苦しそうな、

大切な大切な、お友達をね?

違う場所へ連れ出したの…。




――その夢なら、
俺も見たよ。

きっと大事な大事な、
仲間だったろ?




…そう。

でも、連れ出した先は、
真っ白な所で。

そこから別の大切な場所へ連れて行く為に、

梓が、消えちゃった…




――…それでも、
俺は彼を救いたかった。

彼には、
自分の幸せを見つけて欲しかったんだ…。




……そうだね。
私、分かってたよ?

梓は消えちゃったから、
その夢の続き、
知らないでしょ…?




――愛里は、知ってるの?




…知ってるよ?

彼が戻って来るまで、
待ってたもん。

待ってる間、
一人で寂しかったけど…、

戻って来た彼の姿を見て、
彼と話して…、

すごく、
ほっとしたの。
安心したの。

だから、きっと…

私たちのお友達は、
幸せになれたんじゃないかな…?


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