記憶 ―夢幻の森―
そうか…
ハルカが恐いのは、
『俺を失う事』――?
神が、存在すると云うのなら、
ユピテルでも
エウロパでも、
誰でもいい…
俺がもし、
いなくなったら。
ハルカを、
どうか救ってやってくれ……
甘い…、甘い、その蜜に。
そんな願いを、
追って加えたらば、
我儘になるのだろうか……
『その山に行く事をわしが許すのは…、少年少女だけ。無益な争いを起こす大人には教えんよ…。』
じぃさんは、そう葉を揺らした。
『…明日、またおいで…?』
そう言った。