僕と君との境界線【BL】
「どったの?みんな?」
間の抜けた担任の声に、教室は息を吹き返した。
ふっと、肩から力が抜けたのがわかった。
誰かが咳をこぼし、それをきっかけに、わたわたと全員が席に着いた。
橘の眉間には皺が寄っていた。
それもそうだろう…。
僕は口の端が上がった。
今しがた教室に静寂を送り付けた相手は――、見たこともない綺麗な少年だったからだ。
橘よりも――、というよりも、橘とは、また違った形のイケメンだろう。
橘の賭けは、負けだった。
だが、イケメンは嫌いだ。