僕と君との境界線【BL】
それにしても――…だ。
まじまじと見なくても、桃井が醸し出す空気は特別だった。
少しくせっ毛のあるツンツンの髪の毛は、モンブランのようにいい匂いがしそうだ。
ダークグレーの瞳は、沈静さと高い知識を思わせた。
端正な顔立ちに見合った、すらりとした長い手足。
何もかもが、完璧に近かった。
これで性格がよかったら、女子は放ってはおかないだろう。
同じ男か。
同じ野郎なのか?
何だか腹が立ってきた。
別に嫉妬じゃなくて…、いや、どうしたら、こういう男がこの世に生まれおちるのか。