僕と君との境界線【BL】

僕の脳裏に、古典の成績が浮かび上がった。


でっかく――、しかも、コメント付きの答案用紙だ。



『中学に戻れ』


という走り書きの答案用紙は、学年が上がるごとに、コメントも点数も酷くなっていた。


次の中間じゃ――、『小学生かよ』と書かれそうな勢いの僕の成績。


古典にとどまらず、数学も危うい。


桃井の顔は見なくとも、得意げに横で鼻歌を口ずさむ所からして余裕だ。


絶対に――、釣れん!



と意気込むよりも先に



「…全部…教えてくれ…るのか?」


「もちろん、家庭教師よりも役立つね」



僕の脳みそは、利口だった。





< 34 / 117 >

この作品をシェア

pagetop