僕と君との境界線【BL】
桃井は、橘の扱いを一週間でマスターしたようだ。

すぐムキになる橘を手で転がしている。



「フミちゃん…、こんな嫌味な奴のどこが好きなんだか…」



ずずずっと、苺ミルクをすすりながら、僕は知らん顔をした。

好きじゃないしな…。


家庭教師という響きに、釣られただけだし――…。



ちらりと、桃井を見る。



相変わらず、桃井は弁当を食べる時も、男前だ。

普通なら、僕が女子なら惚れぼれする場面だが、生憎、僕は男だ。



全然、ときめかない。


ていうか、桃井は一体この状況をどう思ってるんだ?



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