僕と君との境界線【BL】
「何?」
僕の視線に気がついたのか、桃井は食べる手を止めた。
橘とみっちゃんは、2人だけの会話に花を咲かせ、もう僕には目もくれない。
あぁ、いいよなぁ…。
本当は、こういうの望んでんだけどな…。
「なぁ…あのさ…」
僕は、橘とみっちゃんの目を気にしながら、桃井の耳にそっと唇を近付けた。
「桃井の好きな子…あれ、どうなってんの?」
「あぁ…」
そう、僕と桃井が付き合ってから一週間。
僕のクラスに桃井の好きな子がいるとだけは聞かされてはいたが、その後、どうなっているのかはわからなかった。
大体、気をひきたいがために付き合い始めたんだ…。
現状ぐらい、知らせてくれたっていいはずだ。