僕と君との境界線【BL】

桃井はそれでも、にっこりと笑みを崩さず


「焦ると、全てが泡になる、ね」


そう言って、僕の前髪を愛おしそうにすくう。



「あ、こら!俺のフミちゃんに何をする!この変態め!」


橘が桃井に掴みかかろうとするのを、みっちゃんが足蹴りした。


橘の骨盤にヒットしたため、涙目になりながら、橘は力なく僕の膝に倒れこんだ。



「うう…フミちゃん…」


「橘、重い」



酷い、と言いながら、橘はそれでも僕の膝からはどけようとはしない。

それどころか、ぐいぐいと顔を押し付け、挙句には、背中に手を回され――、いわゆる、抱っこ状態。


「は・な・せ!」


「フミちゃん、ぬっくい」


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