僕と君との境界線【BL】
それはきっと、桃井も同じだろう。
僕はいたたまれなくなった。
誰がって――…自分がだ。
嘘で付き合って見せつけた自分が、恥ずかしくて、情けなくて、腹立たしくて。
「フミちゃん?」
「ごめん、僕…、次の授業で当りそうだから。先、行くから…」
溜息をついて立ち上がる僕を、桃井は引きとめようともしなかった。
あぁ、2人で話したい事でもあるんだろう…。
邪魔者は退散するって、安心しろよ…。
戌井の傍をするりと抜けて、僕は、わざと息を止めた。
ストロベリーの香りなんて、今更、肺に入れたくもない。
さっき飲んだばかりの苺ミルクを吐き出したくなると、思ったから…。