魔王のゲーム
「うわぁ……スゴイ変わってるね!」
ソラが子供みたいに周りをキョロキョロと見渡している。
「確かにな。この世界で一番《首都》になったのは聞いてたけど、昔の名残もないな……」
昔、この《首都ワクアディス》は、ただの田舎町だった。
そして、《ゲーム》参加者がこの世界に来た時、一番近くにあった町。
《ゲーム》参加者から見たら、この町は始まりの町だ。
「だね!昔は人と家と森と平地しかなかったのに……」
周りは機械やら建物やらがずらっと並んでいる。
まだ八割以上が自然のこの世界で、この都市は一番、俺らの世界《地球》に近い《都市》だと思う。
「あ、あれかな?」
「まぁ、あれだろな」
ソラが指差すその先には、国会議事堂みたいな建物。
《ゲーム》参加者と《この世界》の最高峰の会議場。
「久しぶりだな、あいつらと顔を合わせるのは」
「そうだね……ちょっと怖い」
今日、この場で《ゲーム》参加者の地位を与えられている《最強》の三人、《化け物》の五人の六人が集う事になっている。