魔王のゲーム
国会議事堂の様な建物――俺らは《軍》と呼んでいる――の前まで行くと、一人の黒いローブを頭まで被って、顔が見えない人が迎えてくれた。
「はじめまして。《閃光の空騎士》様と《無音の魔術師》様でございますか?」
「そぅだよ!」
「《閃光》でいい」
「畏まりました。今日はわざわざ遠くからありがとうございます」
そう言い、深々と礼をし、背を向けて「こちらでございます」と言って歩きだした。
声は男のようなので、男なのだろう
俺とソラはその男に着いて行き、建物の中へと入って行く。
三分くらい歩いた所で、縦の長さは人が二人分かと思えるくらい大きな扉の前で、男の足が止まった。
「この部屋でございます。私はここで……」
「あぁ。ありがとう」
「ありがとうございましたぁ!」
また男は深々と頭を下げ、そのまま離れて行った。
「なんだかドキドキす――」
ソラの言葉を無視して、俺は扉を開いた。
扉は見た目より軽く、開けるとそこには大きな丸い机と、それに沿われて並ぶ椅子に座っている若い男女が数人いた。