魔王のゲーム
「「シュン!!」」
扉を開けると同時に、立ち上がった女の子が二人。
内心、やめてくれと毒づきながらも無視して部屋に入ると、女の子の一人が俺に向かって走りだした。
「しゅぅぅぅぅん!!」
そう言って飛び掛かってきた。
俺は避けようかと思ったが、過去に避けて大泣きされた事を思い出し、仕方なく受け止める。
と、腰に手を回して、力強く抱きしめてきた。
「シュン久しぶり!会いたかった!」
そう言うこの女の子は、《竜の使い》こと霧島 梓。
《ゲーム》参加者の最低年齢の14歳で、《化け物》と呼ばれる《士》という地位まで上がった、身長140のちびっこだ。
ちなみに、容姿は可愛い。
「あああ梓!!な、なにしてるの!!?」
「う?シュンと感動の再会を――」「だからと言って、……その、だだだ、抱き着くなんて……と、とにかく、早く離れなさい!!」
梓はそう言われると、渋々俺から離れた。
俺は内心、安堵のため息を吐き