魔王のゲーム
「ふぅ……」
小さくため息を一つ。
剣に残る血を払い、両手の剣を鞘に入れる。
「海斗、お疲れ様!」
一人の司祭服を着た、女の様な男が近付いてきた。
近澤 宙(ソラ)
前の世界からの幼なじみで、俺の相棒。
「お疲れ様。まさかケロベロスが出て来るとはな」
「そうだね……そろそろ魔王に近付いてきたのかな……」
ソラが不安そうに言う。
もう、この世界に閉じ込められて、二年が過ぎようとしている。
問答無用に、無理矢理参加のこの《ゲーム》
詳しくは今も分からないけど、とりあえず分かっている事は何個かある。
一つが、この《ゲーム》の参加者は皆、中・高校生。
そして、元々この世界の住民だった人より、特殊な力を授かっている。
それが、《ジョブ》と《スキル》だ。