魔王のゲーム
「あ、街が見えてきた!」
だからと言って別に、元々この世界に居た人が全員力を持っている訳ではない。
魔法も、この世界に居た人の方が、経験がある。
ただ、《ゲーム》参加者は、人間離れの力が授けられただけ。
「わぁー、やっぱり都会だね!遠くから見ても分かるね!」
と言っても、《ゲーム》参加者と肩を並べるくらいの力を持っている人もいる。
だけど、それも極少数。
「あそこがこの一年以上で一番力を入れた都市らしいしな……」
しかも、《ゲーム》参加者の上位にいる人の力と比べると、やはり弱い。
だからか、この世界の人間による国家は、《ゲーム》参加者に力を入れている。
「あそこに行くの、久しぶりだなぁ……」
「最近の敵の事についてだろ。別に俺らまで呼ばなくてもいいのに……」
「なに言ってるの!僕ら、居ないとダメな立場じゃん!
」
「好きでなったわけじゃないのに……」
この世界の状況は今はそのくらいしか分かっていない。
魔王は、俺らがするべき事以外に、なんの説明も無しに《ゲーム》を開始したから、仕方ないと言えば仕方ない。