君と過ごせる最期まで
病院からの帰り道。
すでに時刻は10時を回っていた。
あれから、稔のお母さんに“今日は帰りなさい”と促され、今に至る。
鞄にある、稔への誕生日プレゼント。
送り主が居なくなった今、それは意味をもたない。
ケータイには、稔から来た…着信履歴。
「…あ」
着信…履歴?
そういえば…あれはなんだったのだろう。
最後に聞いた、稔の苦しそうな声。
『…詩…歌…』
ケータイには、7:26と残されている。
でも、
「稔が…死んじゃったのは、7時18分って言っていたような…」
と、いうか言っていた。確かに稔のお母さんはそう、言った。
でも、ケータイに残されているのは7:26分…