君と過ごせる最期まで
……は?
俺、死んじまったみてぇだ…?
「いやいやいや、んなバカな…」
じゃあ、此処にいるのは…誰?
稔の双子の兄弟とか…?
「いや、聞いたことない…」
ブツブツと独り言を言うあたしに、稔はオーイ?と顔の前で手をふっている。
その手を払おうと、右手を上にあげた。
「うるさ…ッ?!」
手が…払えない。
いや、触れられない。
スーッとあたしの手が稔の手をすり抜ける。
「…え?」
あたしは、信じられなくて何度も稔の手に触れようと手を伸ばした。
「なんで…?」
手が…すり抜けるなんて、ありえないでしょう…?
「稔…?」
『俺、幽霊だから。触れねぇよ』