君と過ごせる最期まで
『え、と…』
いきなり泣き出すあたしに稔は、かなり困惑している。
…あたしはそんな稔に追い討ちをかけるように、言葉を発し続けた。
「…いきなり、表れて。幽霊?…何ソレ…。あたし…凄く…すっごく辛かったのにさ…
稔が死んじゃったなんて…信じられなくて、信じたくなくて…!
なのに…いきなり表れて、ヘラヘラして…幽霊って、なによぉ…ッ!!」
嗚咽混じりの言葉。ヒックと喉が鳴る。
今のあたしに、鼻水を拭う気力などあるはずがなく、鼻水がツーと鼻の下を伝っていくのがわかった。
…今のあたし、凄く…醜いんだろうな
惨めなんだろうな…。
『…ごめん…ッ!詩歌!ごめん!』
そんなあたしに、稔は抱き締めるように手を広げる。