君と過ごせる最期まで



稔が…



『でも、俺は…幽霊だとしても…詩歌にもう一回会えて…嬉しい』



こうやって笑ったから。



あたしに…笑いかけてくれたから。



「…ううん。あたしこそ…ごめんね?稔…」



…この笑顔を、もう一度見れたから。



安心して…泣いちゃったんだ。



『ほら…鼻水、拭けよ』



そう、稔はティッシュを指差す。



あたしはそれに素直に従うと、チーンと鼻水を一気に啜った。



「あ゙ー、すっきりしたぁ。」



鼻の下がすっきりしてなんか気持ちが良い。



『親父か。テメェは』



そう、呆れたように笑う稔。



「はっ!つい、いつもの癖で…」



そう、慌てるあたしにブッ!と大袈裟に稔は吹き出す。



腹を抱えこんで、床を叩きつけながら(叩けてないけど)稔は爆笑していた。



< 26 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop