君と過ごせる最期まで
稔が…
『でも、俺は…幽霊だとしても…詩歌にもう一回会えて…嬉しい』
こうやって笑ったから。
あたしに…笑いかけてくれたから。
「…ううん。あたしこそ…ごめんね?稔…」
…この笑顔を、もう一度見れたから。
安心して…泣いちゃったんだ。
『ほら…鼻水、拭けよ』
そう、稔はティッシュを指差す。
あたしはそれに素直に従うと、チーンと鼻水を一気に啜った。
「あ゙ー、すっきりしたぁ。」
鼻の下がすっきりしてなんか気持ちが良い。
『親父か。テメェは』
そう、呆れたように笑う稔。
「はっ!つい、いつもの癖で…」
そう、慌てるあたしにブッ!と大袈裟に稔は吹き出す。
腹を抱えこんで、床を叩きつけながら(叩けてないけど)稔は爆笑していた。