君と過ごせる最期まで
…なのに、
何故、稔が見えるんだろう…?
『あ?』
急にそんな事を言い出すあたしに、稔は露骨に眉を眉間に寄せた。
「あたし、霊感ないんだよね」
『…知ってますが』
「じゃあ…なんで、稔が見えるの?」
………………
『…なんで?』
と、稔は首を傾げる。
「いや、こっちが聞いてんですけど」
あたしは、顔の前でいやいやと手を軽く振った。
………………
『詩歌の俺に対する愛じゃねぇの?』
「…はっ?!」
しばらくの沈黙。
それが破られたかと思えば、稔は急にそんな事を言い出す。
『愛の力!』
「…い、意味わかんねぇしっ!」
『わかるくせに』
このこのぉ!なんて、肩をツンツンしてくる稔の手を勢いよく払った。