君と過ごせる最期まで
「稔は…その…」
言って良いんだろうか…
というか、言うことなのだろうか。
おばあちゃんはにこにこしながら、あたしの返答を待ってる。
「稔は…来れないから」
「?そうなのかい?」
…あながち嘘ではないよね。
ごめんね…おばあちゃん
「詩歌ちゃん?…元気ないねぇ…なんかあったんだろう?」
……!
相当、暗い顔していたのだろうか。
おばあちゃんが心配そうにあたしの顔をのぞき込んできた。
おばあちゃんの纏う優しい雰囲気に、胸の奥が疼く。
『詩歌、言えばいいじゃん』
あたしの気持ちを察したように、稔はそう言い放った。