君と過ごせる最期まで
「あっ!これ、稔っぽい!」
なんて、黒い帽子を手に取りながら笑う。
部活で忙しいから、唯一の休みを利用して買いに来た今日。
当たり前だけど様々な商品があって、目移りしちゃう。
あ、これも格好良いな~…
チラッと自分の財布を見ると、1000円札が三枚。
2000円はできれば越えたくない。
お小遣い日まで、後2週間はあるのだから。
「うーん…やっぱり、里美つれてくれば良かったな~…」
今更、一緒に行こう!なんていう、親友の好意を断ってしまったことに後悔した。
「去年は…なにあげたっけ…」
ブツブツと何かを言いながら買い物をする私は、端から見れば変な奴に違いない。
下手すれば、変質者だ。