君と過ごせる最期まで



なんて今更わかっていたはずなのに、改めてに突きつけられた現実にいつもより大きい溜め息がでる。



『ちょ…溜め息つきたいのは、俺の方なんですけど』



いや、あんた思いっきりわざとらしく盛大についていたじゃないか。



…あれでも足りないのかよ…。



なんて思い怪訝そうに稔を見れば、稔はおどけたように(馬鹿にしたように?)あたしに笑いかけていた。



何故、笑っているのか。その真意が全くわからないあたしは、もちろん全力でスルー。



強いて言うなら…引いたような、冷めたような…そんな目で見てやった。



『…機嫌、なおせば?』



いつまでもふてぶてしいあたしに、稔は突然そう冷静に言う。



< 63 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop