君と過ごせる最期まで



「機嫌を悪くしたのは誰だよ?」



『俺だね』



あたしの問いに間もなしに答えられ、思わず昔のギャグのようにズルッと転びそうになった。



もし、今。地面に氷がはっていたのならあたしは思いっきり転んでいたことだろう。



『だからその俺が、機嫌なおせって言ってんじゃん』



「…なんで、偉そうなわけ?」



稔にそんな偉そうに言われる筋合いないんですけどー



なんて口を尖らしていたら、稔は呆れたような顔をする。



『…はいはい。俺が悪う御座いやした。いつまで拗ねてんだよ。馬鹿が』



謝るんだったら最後まで突き通せやッ!



なに、自然に馬鹿とか言っちゃってんの?!



そんな意味を込めて、あたしは先程よりも鋭く稔を睨みつけた。



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