君と過ごせる最期まで
今日は、海に行くから防寒を完璧にする。
春間近といっても、海はかなり寒いだろう。
コートの下に3枚ほど着込み、マフラーと手袋に手を伸ばす。
「よし、完璧☆………寧ろ暑い…」
昨日忘れてしまった財布をしっかりポケットにいれ、稔の待つ外へと向かった。
「稔!準備終わったよ」
幽霊は寒さを感じないのだろうか。
今思えば、稔は今の時期に相応しくない服装を纏っている。
………本人は平気そうだし…ま、いっか。
進み始める稔に伴い、あたしも海へと足を動かした。