君と過ごせる最期まで
「………」
『………』
「………」
『………』
か、会話がねぇ…
先程から稔は言葉を発さない。
あたしが一人で話していたようなもんだ。
さすがに虚しくなったため、今はなにも言ってないけど。
ひたすら海への道を突き進む稔にあたしは黙々とついていくだけ。
さすがにこれだけ会話がないと、今更話す話題が思い浮かばない。
思い浮かんだとしても、言葉を発せない状態だ。
ただ、黙々と海へと歩いた。
………。
磯の香りが花を掠める。
波の音が、耳に響いてくる。
結局、会話を交わすことはなかった。
……あたし…なんかしたっけ?
いや、してないよなぁ…