君と過ごせる最期まで
「う~ん…やっぱり…いや、でも…」
こういう時、優柔不断な性格って本当に困る。
これだ!と決意しても、いざレジに行くと迷うんだよね…。
………ええい!
迷ってても仕方がない。(はやく帰ってテレビ見たい)
そう、一番最初に目に入った黒がちな帽子を手に取った。
シンプルだけどオシャレ…だと思う。
無事会計を済ませ、家まで帰ろうと歩く。
まぁ、2500円という大打撃だったけど、たまには良いだろう…なんて顔を綻ばしながら。
明日、稔に駅前のアイスを奢ってもらおうなんて考えながら…。
歩いていた時だった。
「…?!」
特になにもないのに、嫌な感じが脳裏を掠める。
その刹那、鞄の中にあるケータイがけたたましく鳴り響いた。
それに若干、体をビクつかせ、慌てて鞄からケータイを取り出す。