君と過ごせる最期まで
『俺が、出かけていたのは初日だけ。それでその時知った。詩歌が泣いているのを』
…嘘。
誰か…嘘だと言って
『…泣いてる詩歌をずっと、窓の外で見守るっていうのは…変な表現だけど見守ってた』
…稔だけには、
…知られたくなかったのに。
『…ごめん。何もしてやれなくて、ごめん…』
そう頭を下げる頭にそれは真実なんだと肯定せざる得なかった。
『…詩歌、俺さお前になにもしなかったこと間違ってるとは思わない』
………言わないで。
『…俺さ、幽霊だから』
…お願い、
なにも、言わないで…
口に出したいのに…
思うように声が出せない