君と過ごせる最期まで
稔の優しい手があたしの顔を優しく包む。
触れられなくても良い。
稔を感じられるだけで良い。
あたしは頬におかれた稔の手に重ねるように手を添えた。
「泣かないでよ…」
赤くなっている稔の目を拭うように手を左右に動かす。
『俺、かっこわりぃ…』
「そんなことない…稔は格好いいよ」
その刹那、稔はあたしを抱き締めるように手を広げあたしを包むように手を後ろで結んだ。
「稔……」
『詩歌…ゴメンな、ゴメンな…!』
稔と今…こうして過ごせることすら稔が言うとおり奇跡なのに。
稔に触れたいと思ってるあたしはどこまで貪欲なんだろう…。
触れたい、触れたい。
ずっと、
一緒にいたい……