君と過ごせる最期まで
『…俺も、お前は大切な存在だ。それだけで…充分だ
…なぁ、詩歌。顔、見せて』
稔はそう言うと、あたしの肩にうずめていた顔を上げ、あたしを真っ直ぐ見据えてきた。
そして、あたしの髪に触れる仕草を見せては…ニッコリと笑う。
その笑顔に…トクンと胸が高鳴った。
稔の手があたしの髪を梳くように優しく動く。
稔の優しい笑みに、頬が紅潮した。
『ははっ。顔、赤っ』
「…!だ、だって…!」
指摘され、さっきの倍、あたしの頬は熱をもつ。
稔の後ろに回していた手を一旦はずすと、自身を手で仰いだ。
そんなあたしに…また、
稔は笑う。