君と過ごせる最期まで
真剣な顔をする稔はあたしにとっては新鮮で。
あたしをドキドキさせるには充分だった。
極めつけに、稔の顔が果てしなく近い。
「み、稔…?!」
至近距離に戸惑うあたしに反して、稔は至って冷静だ。
『…好き。すげー好き。…これからも、お前を見守ってる。…傍にいるから。
…詩歌…目、閉じて?』
だんだんと近くなる顔に反射的に目を瞑る。
そして…
「…?!」
確かに、触れた…温もり
唇に…触れた温もり。
一瞬だった。
気のせいなんかじゃ…ない。
…確かに
あたしは稔の感触を感じたんだ。