【実話】親愛なる幸せへの回り道
煙が…
息ができないほどに
体の中に入ってくる。
『…はぁっ…はぁっ…』
『待ってろ…
今ドアあけるから…』
陵はドアに
また体当たりしだした。
…でもだめだ。
陵。
ここに
連れてきてくれてありがとう。
ずっとそばにいて
笑わせてくれてありがとう。
楽しかったな。
後悔してないよ。
そして
私が目をとじたとき。
陵の叫ぶ声と…
もう一人。
どこかで聞いたことの
あるような声がした。