【実話】親愛なる幸せへの回り道

土曜日。


学校帰りに

スイミングスクールに寄った。



自分のメールアドレスを

書いた紙を

ポケットにいれて。



…会ったらまずどうしよう。

挨拶?

どんな感じで?


それでアドレス渡して…




ちょっと話したりできるかな?





そんな

浅はかな考えを

持っていた私は

やっぱり子供だったたんだね。













『…ああ、

寺山コーチなら




もうやめましたよ?』






受付の人にそう言われて。


自分の幼さをはっきりと

理解した。




…ポケットに入れた紙を握りしめながら。




…なんだ、

幸はもう

先に、

ずっとずっと先に

進んでるんだ。


< 72 / 245 >

この作品をシェア

pagetop