【実話】親愛なる幸せへの回り道
土曜日。
学校帰りに
スイミングスクールに寄った。
自分のメールアドレスを
書いた紙を
ポケットにいれて。
…会ったらまずどうしよう。
挨拶?
どんな感じで?
それでアドレス渡して…
ちょっと話したりできるかな?
そんな
浅はかな考えを
持っていた私は
やっぱり子供だったたんだね。
『…ああ、
寺山コーチなら
もうやめましたよ?』
受付の人にそう言われて。
自分の幼さをはっきりと
理解した。
…ポケットに入れた紙を握りしめながら。
…なんだ、
幸はもう
先に、
ずっとずっと先に
進んでるんだ。