うそつきなライオン
吸い込まれるように少年に近付き、恐る恐る覗き込む。
あたしより年下…16、7くらいだろうか。
恐ろしく美しい顔をしている。
「風邪、引くよ‥」
まともなことしか言えないあたしは、自分だけが少し場違いな気がした。
「…誰?」
甘い声で呟く少年は、透き通るような白く長い指であたしの髪をすくう。
「美羽‥」
「みぅ?かわいい名前。」
そう言うと、少年はむくりと起き上がった。
「みぅ、俺のこと拾ってよ。」