冥王の花嫁
そこには美しい花があった。怪しげに紫色に咲く花。
たわわに咲くその花は、一つの茎に多くの花を付けており妖艶で美しい。
「本当に綺麗ね……でもどうしてこんな所に花が…?」
光もあまり届かない森。
そんな所にどうして花が咲いているのか―――
よくよく考えてみれば、とても不気味な話。
だがコレーは自然とその花に手を伸ばしていた。
その姿はまるで花に操られているような―――
「―――ッッ!?」
花に触れた瞬間、凄まじい慟哭と共に大地が割れ漆黒の戦車が現れた。
「あ……あれは何なの!?」