冥王の花嫁
「いいえ……そのような訳では……ただ陛下を心配してのこと。何かあったのであればすぐ私に申してほしいのです」
「……そなたの思いは分かった。だが今は話す気になれぬ。すまぬが一人にしてくれ」
「……出すぎたことを申しました……申し訳ございません」
彼女はそのまま部屋を出ていった。
「何故か疲れたな――」
彼女がいると気が休まらない。
それにしても、この気持ちは何だというのだろう。今まで一度も感じたことのない思い……
「どうしたものか――」