冥王の花嫁

『おい、最近ハデス様 元気無いことねぇか?』


『そうですか?私は元々だと思うのですが』


いつも静かな冥府に響く何とも不釣り合いな二人の声。


『てめぇ……よくそんな事言えるな、分かんねぇのかよハデス様、最近ため息ばっかついて俺が話しかけても全然反応しねぇんだよ。
なんか考え込んでるみたいなんだけど……』


無駄に元気なこの男の名はアイアコス。金の髪に碧の瞳を持つ冥府の裁判官である。


『……あなたが無視されるのはいつもの事でしょう?
それに考えこむなんて冥府の王ならば当たり前の事だと思うのですが?』


銀の髪に薄い緑眼を持つこちらの男も同じく冥府の裁判官、ミノス。


『確かにそうだけど……でも絶対何か隠してるって!!』



二人の話しの題材は勿論ハデス。だがミノスはそこまで興味が無いようで、反応はそっけない。


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