冥王の花嫁
言い切る前に、ヘカテに言葉をさえぎられてしまった。
「‥‥アイアコス、あなたという人は本当に……ミノスに習って少しは落ち着いたらどうですか?」
『で、でも俺はなんにも‥‥』
聞こえないようにボソボソと小声で呟く。―――が、
『私が何かしたとでも?』
どうやらミノスには聞こえていたようだ。
『えッッ!?い、いや、別に何でも‥‥ないよ・・・
って、そうだ!!!あの事、ヘカテさんなら知ってんじゃねぇの!?』
「あの事…?」
『そう!!ほら、ハデス様の事!!何か最近、前にも増してイライラしてるでしょ?
だからヘカテさんなら何か知らないかなぁって…』
これ以上何か言われない用、話題を変えてみる。
チラリとヘカテの様子をうかがうも、どうやら彼女も思い当たる事があるらしく 黙り込んでいた。