冥王の花嫁

言い切る前に、ヘカテに言葉をさえぎられてしまった。


「‥‥アイアコス、あなたという人は本当に……ミノスに習って少しは落ち着いたらどうですか?」


『で、でも俺はなんにも‥‥』


聞こえないようにボソボソと小声で呟く。―――が、


『私が何かしたとでも?』


どうやらミノスには聞こえていたようだ。


『えッッ!?い、いや、別に何でも‥‥ないよ・・・
って、そうだ!!!あの事、ヘカテさんなら知ってんじゃねぇの!?』


「あの事…?」


『そう!!ほら、ハデス様の事!!何か最近、前にも増してイライラしてるでしょ?
だからヘカテさんなら何か知らないかなぁって…』


これ以上何か言われない用、話題を変えてみる。
チラリとヘカテの様子をうかがうも、どうやら彼女も思い当たる事があるらしく 黙り込んでいた。


< 19 / 30 >

この作品をシェア

pagetop