冥王の花嫁
『‥‥確か先日、ハデス様は地上へ行かれましたよね?』
「そう言えば‥‥様子がおかしくなったのも確か地上から帰ってこられてから……」
『……地上で何かあったのでしょうか?しかし、あの方をあそこまで消沈させるなど‥‥よほどの事があったのでしょうね。』
「・・・いったい何が原因か・・・」
あの冷酷非道と有名な冥王に何があったのだろう。
アイアコスの言うように、元気が無くなったと分かるのはごく身近なもの達だけのはず。
それほどまでに、わずかな変化なのだ。
『――何か面白い事が起きそうですね』
静寂と闇に包まれたこの冥府に、これから何が起こるのか―――
ミノスは一人微笑んだ――