冥王の花嫁
Ⅰ孤独の神
―出会い
―シチリア島―そこは大地の女神、デメテルが治める島
色とりどりの花が咲き乱れ、小鳥は唄を口ずさむ――
「お母様の嘘つき!!大ッ嫌い!!」
そんな美しい島に、少女の叫びがこだました。
―「大ッ嫌い」そう叫ばれた女、デメテルは珍しく激怒していた。
「母に向かってその口のききかたは何ですか!!」
"パンッ"と小ぎみいい音が響いたあと、少女コレーは瞳に涙をいっぱいため森に向かって走りだした。
―お母様ひどいわ!!
ただ島の外に出てみたいって言っただけなのにぶつなんて!!
どうしてそこまで怒るの!?何がいけないの!?
でもいいわ!!
お母様の事だからすぐに謝ってくるに決まってる。
私からは絶対に謝らない!!
―コレー...私の気持ちも知らないで島を出たいと言いだすなんてッ……
どうせすぐに「ごめんなさい」と言って戻ってくるに決まってるわ!!
私から謝るものですか!!