冥王の花嫁
「あら、コレーどうしたの?」


美しい花畑―――


瞳に涙をいっぱい溜め走り去って行こうとするコレーにニンフ達が声をかけた。


だが―――


「お母様のバカッ……!!」


そう呟きコレーは森の中に消えて行ってしまった。


「コレー‥‥‥何かあったのかしら?頬が少し腫れていたわ……」


「そうね、それにお母様のバカッて……デメテル様と喧嘩を?」


「まさか、あんなに仲の良いお二人よ?喧嘩なんてしないでしょう?」


ニンフ達はいつも仲の良い親子に何があったのか、それぞれ、いきさつを想像した。


「まぁ大丈夫でしょう。
いつも仲の良いお二人だもの。何があったにせよ、すぐに仲直りなさるはずよ。」


一人のニンフの言葉に周りも頷くと、


「そうね、大丈夫よね、あのお二人のことだもの……」


再び楽しそうに花摘みを再開した。


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