思い出の味

予想した通りまた始まった。

ほぼ全員から無視される。
教室で足かけされ転ばされる。
ノートを開けば罵詈雑言が書きなぐってある。
莉乃と未宇でさえつばさのいないところでしか話しかけなくなった。
でもそれは私が望んでそうしてもらっている。
いじめが二人に拡大しないように。

つばさがクラスのトップになり、ほかのみんなをいいように操っている。

お弁当の時間も。
「やだ、夢原さんお弁当にまで漬物入ってんの。くっさ~い。」

ご飯の端に二切れだけ入った黄色い沢庵。
それすらめざとく見つけてからかわれる。

「ねぇ教室臭くなるからさ。」
そういって私のお弁当箱を奪い取る。
「ちょっと何すんの?」
お弁当を取り返そうとした私の目の前でお弁当はゴミ箱に捨てられた。

「掃除の時間ちゃんと収集所に持ってってよ臭いから。」
いい気味と言わんばかりの笑みを浮かべて。
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop