狼さんの好きな人
「お前のキス最高…。」


モジャ男は、そう私の耳で囁くと首筋に顔を埋めて舌を這わせた。


「んッ、枢…やぁ…」


くすぐったい。


「心配すんな。ここじゃしねぇから。ただの味見。」


「味見?」


「そ。味見。あぁ、もどかしいな。早くお前を食べたいよ。」


食べる…!?


「私、食べられませんよ?お腹減ってるなら今から売店に行きますか?」


「お前…」


「何ですか?」


「………ハァ。何でもねぇ。そろそろ行くか。」


そのため息は何だろう…。


「はい。あの、お兄ちゃんは?」


「生徒会の仕事で遅くなるんだと。」


「そっか。」


部室を出て体育館に向かうと、人がたくさん集まっていた。


しかも、女の子ばっかり。


どうしたのかな?


「めんどくせぇ…」


「へ…?」


私は、体育館の中に入るとバスケ部専用の用具入れの部屋の鍵を開けた。


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